yumetodoの旅とプログラミングとかの記録

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共沸点やそのときの組成の情報はどこにあるか

東京理科大学の化学系学科の人間なら受けるであろう物理化学実験では相平衡の実験で2-propanol(2-プロパノール, Isopropyl alcohol)-benzene(ベンゼン)の共沸をやる。

ところがこの文献値が簡単には見つからない。

まず見に行くであろうは、Webページから中身を見たり検索できる丸善の化学便覧 基礎編 改訂5版だろう。 実際これには相平衡の話が書かれているが、2-propanol-benzeneはない。(Ⅱ-193ページだけWebからみると中身が抜け落ちているが、実際の本を見に行っても載っていない)

となるとぐぐるしかない。

ぐぐるとまず見つかるのは

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

この知恵袋だ。

気液平衡データ集 大江修造編著 講談社

が上がっているので図書館の蔵書検索を書けるとこんな感じで出てくる。

気液平衡データ集

ところがこれらには2-propanol-benzeneは載っていない。

Vapor-Liquid Equilibrium Data Collection, Jurgen Gmehling, DECHEMA のシリーズに出ているはずです。

とあるのでこれも蔵書検索をかけるとこんな感じになる。

Vapor-Liquid

3番は日本語版のとデータ的には同一だ。4番は工業化学科書庫にあって取りに行くのがだるいためとりあえずパス。

さて、困った。

まあ、あーでもないこーでもないと検索をし続け、論文とかも探したが、結局たどり着いたのがこのWikipedia

en.wikipedia.org

ばっちり2-propanol-benzeneも載っている。さて、もちろんWikipediaは参考文献には使えない。これの出典はどこだ?

正しく記述されているWikipediaのページには内容を検証可能な出典が記載されている。

Lange's Handbook of Chemistry, 10th ed. pp1496-1505

これらしい。書名で検索を書けるとヒットした。

Lange's Handbook of Chemistry

というわけでこれのp. 2445に目的のデータが載っている。

共沸点は71.7℃、組成は2-propanol 33.7 (wt. %), benzene 66.3 (wt. %)となっている。

というわけで2-propanol-benzeneのデータは東京理科大学神楽坂キャンパスの図書館で入手できるということがわかった。

20190930侵害コンテンツのダウンロード違法化等に関するパブリックコメントを提出した。

2019年09月30日から2019年10月30日にかけて、侵害コンテンツのダウンロード違法化等に関するパブリックコメントが実施されていたので提出した。

www.bunka.go.jp

search.e-gov.go.jp

10月はじめにTwitterを騒がせたアレである

togetter.com

パブコメのページでは以下の資料が提示された。

当初はこの(別紙)質問事項及び回答様式とやらに記載して、chosaku@mext.go.jpに【侵害コンテンツのダウンロード違法化等に関するパブリックコメントへの意見】というタイトルで送れ、とあった。

後に撤回され、自由に文章を投げつけられるようになった。

そういうわけでパブコメをテキストで投げつけてきた。

img

その全文を下に掲載する。忙しくて今日まで先延ばしにしてて、今日授業の合間を縫って即席で仕上げた文章なので十分推敲できなかったのがくやしい。

全文

20190930侵害コンテンツのダウンロード違法化等に関するパブリックコメント

1.基本的な考え方 (1)「深刻な海賊版被害への実効的な対策を講じること」と「国民の正当な情報収集等に萎縮を生じさせないこと」という2つの要請を両立させた形で、侵害コンテンツのダウンロード違法化(対象となる著作物を音楽・映像から著作物全般に拡大することをいう。以下同じ。)を行うことについて、どのように考えますか。(後略)

回答不能である。

そもそもダウンロード違法化によって、「深刻な海賊版被害への実効的な対策を講じること」と「国民の正当な情報収集等に萎縮を生じさせないこと」は両立できない。

何故ならば、「深刻な海賊版被害への実効的な対策を講じること」をダウンロード違法化を前提としてなにか対策を行うことが不可能であるからである。

例えばアクセス警告方式が一時期話題に上がったが、これは検閲の禁止(電気通信事業法第3条)および日本国憲法第21条に反する。また技術的には中間者攻撃にあたり、現在広く普及しているHTTPS(TLS)によって不可能である。どうしても行うなら中国が行っているような秘密鍵を当局に提出するしかないが、これはインターネット全般に対する検閲を行う宣言に等しい。こうした課題を無視してもなお、単なる閲覧は違法化され得ないのであり、複製が行われたか閲覧のみに止まったかは、サイト側からもインターネット接続サービス側からも判別不可能である。

したがって質問の設定が誤っており、いかなるダウンロード違法化も許容されない。

今回の法整備の意図は「(添付3)文化庁当初案の考え方に関する資料(侵害コンテンツのダウンロード違法化)」の「音楽・映像分野における違法ダウンロード刑事罰化による抑止効果」に解説のある通り、閲覧は合法だから効果は限定的にも関わらず、それでも効果はゼロじゃないから立法したいという話で合ったはずで、これはそもそも「国民の正当な情報収集等に萎縮を生じさせる」ことを意図した立法だったはずであり、自己破綻甚だしい。

「深刻な海賊版被害への実効的な対策を講じること」は現在もあるアップロードに対する規制やリーチサイト規制(ただし対象を何かしらの方法で明示的にかつ最小限に制限して)を持って行われるべきである。

2.懸念事項及び要件設定 (1)侵害コンテンツのダウンロード違法化を行うことによる懸念事項として(後略)

挙げられている全項目についてとても懸念される

(2)上記の懸念などを踏まえ、具体的にどのような要件・内容とすることが望ましいと考えますか。 (i)侵害コンテンツのダウンロード違法化に関する文化庁当初案(添付1~3参照)について、どのように考えますか。

5 要件にかかわらず、侵害コンテンツのダウンロード違法化自体を行うべきではない

(vi)(i)で5を選択した場合、その理由を教えて下さい。

上述のとおり「深刻な海賊版被害への実効的な対策を講じること」と「国民の正当な情報収集等に萎縮を生じさせないこと」は両立できない。

3.その他

(2)リーチサイト対策に関して御意見があれば、記入して下さい。

リーチサイト対策、もう少し言うとリーチサイト運営者に対しては何らかの対策が必要であるが、すべてのリーチサイトを対象とする法整備は事実上WWWで広く行われているハイパーリンクそのものの規制という誰も望まない未来につながるため、範囲を最小限度に絞った規制が必要である。

繰り返しになるがリーチサイト規制はWWWでの活動すべてを規制しかねず、国民生活を根本から破壊できる力を持っている。したがっていかにして客体を最小限に絞るかが肝心になるが、例えば漫画・アニメに限定としても、何をもって漫画・アニメなのかとかということになり、定義が不明瞭になる。しかしリーチサイト規制の条文がそのような曖昧な定義によって行われるのであれば国民生活を破壊しかねない。

現時点では十分に議論が深まっておらず、立法は時期尚早である。

(3)その他、海賊版対策全般に関して御意見があれば、記入して下さい。

2月に直前になって差し戻しになった本法制は影響範囲が極めて膨大であるにも関わらず、技術的可能性や法的安定性について十分に議論されたとは言い難い。今回のパブリックコメントではなにか具体的な法案を示さず前回の資料を使いしているあたり、前回と同様かそれ以上に影響範囲の大きいものを提出する気ではないかと深刻な懸念を示さざるを得ない。今回のパブリックコメントの設問は多重質問の誤謬という悪質な手法が使われており、設問作成者は十分反省するべきである。

Ubuntu18.04でNVIDIA GPU driverのバージョンを上げた

問題

ここ最近、Ubuntu 18.04を使っているときに、ユーザーを切り替えるときに画面が真っ暗になったまま戻ってこなくなる現象が発生していた。

調査

この状況でもSSHはできたので調べてみる。

とりあえずsudo journalctl -xeしてログを覗くと

_st_paint_shadow_with_opacity: assertion 'shadow_pipeline != NULL' failed

とか

NVRM: Xid (PCI:0000:01:00): 16, Head 00000000 Count 0074231d

のようなログが出ていたり

/usr/lib/xorg/Xorg (xorg_backtrace+0x4d) [0x562e1e508abd]

から始まるバックトレースが出ていたりと、GPU DriverないしXに問題があることは明々白々だった。

対応

Driverを入れ直す。というより新しいドライバーにしてみた。

www.nvidia.co.jp

から自分が使っているGTX750tiのドライバーを探すと

www.nvidia.com

で見えるLatest Long Lived Branch Versionと同じ430.50が最新とわかった。

手元に入っていたのは390系。

aptで拾えるものが古いのしかないのでppaを追加する。

sudo add-apt-repository ppa:graphics-drivers/ppa
sudo apt update

GUIからやろうとしたら(写真はイメージ画像)

GUI

どうにもうまく行かない。

Ctl+Alt+F3で仮想コンソールに切り替え、ログインし、手動で

sudo apt install nvidia-driver-430

を試みるも

The following packages have unmet dependencies:

などと言われる。

仕方ないので一度

sudo apt upgrade

してnvidia-390に来ていた更新を当ててから再び

sudo apt install nvidia-driver-430

してせっかく更新したばかりのを吹き飛ばして入れることで成功した。